くさむすび

青春18×2 君へと続く道のくさむすびのネタバレレビュー・内容・結末

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画を理性的に語ることは自分にはできない。多分自分史上一番泣いた映画かもしれない。
先日見た藤井道人監督作『ヴィレッジ』の後出しジャンケン感があって好きになれなくて、今作のアミの死もその側面があったんだけれども、"アミの死を受け入れられなかったが、彼女の実家に近づくにつれて段々と実感を伴っていく"というのの表現として効果的に使われていた。最初にジミーが「旅行の目的地がない」と言っていたのもアミが言ってたから使っているだけではなくて、彼がまだ死を受け入れていないことのようにも聞こえるなと振り返って思う。そんなケジメを付けに行くジミーの旅だったのに対し、アミは肥大型心筋症を患っていて、死が遠からずも着々と近づいている人生の終わり際に台南に行ったんだろうけど、そこで人生の楽しさに気づきもっと生きたい(旅をしたい)と渇望する話だったのに涙してしまった。ほとんどジミーの主観で進んでいく映画なのに、アミの心情までも強く伝わってくるのが本当に素晴らしい。
藤井道人らしい空撮で乗り物を追っていく映像は顕在。鮮やかな過去パートと色味が抑えられた現在パートの使い分けも見事。もう一回見てから詳しく追記します。
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