パレードに続く藤井道人作品、
やはり鮮やかでくすんだハッキリとした色合いが印象に残る。
何よりも一瞬の静寂、無音はこの作品のハイライト。
人を捉え、大袈裟ではなく、とてもありのまま、人の良い部分を抽出する表現が旅との相性においても、とても良い。
人においてはリアリティがありつつも、フィクションであることを忘れさせない、そして時たまこそばゆい。
自分から見える相手、その同じ数々の瞬間は相手の視線に立つと、見せていない、あるいは自分が見えていない、見えたかもしれないそれをその場その瞬間に気がつけたらどれほど良いか。
それでも、また最後には救われるから藤井道人の作品は心地よい。