SUN

青春18×2 君へと続く道のSUNのレビュー・感想・評価

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
4.4
《2024年 劇場10本目》

【2024年 鑑賞20本目】

儚く切なく美しい。藤井道人監督ということで絶対に観に行くことを決めていた本作品。この方の作品はどのシーンも本当に綺麗で切り取りたくなってしまう場面ばかり。台湾と日本、2つの街並みを舞台に現在と18年前が交錯しながら進んでいくジミーとアミの物語。
観終わってMr.Childrenの「記憶の旅人」を聴きながら余韻に浸っている今。
旅をすることで出会いがある。その出会いは続くものではないかもしれない。一度きりでもう会うことはないかもしれない。それでも繋がりはかけがえのないもの。ジミーとアミのように。旅は自分の生きた軌跡を示すものになる。これから生きていく未来への道にもなる。
18年前に旅にでたアミとその18年後にこれまでの自分と向き合うために旅にでたジミー。2人の姿はどこか似ているようで非なるもの。目的のない旅の良さが2人の雰囲気と言葉、そして藤井道人監督が映す情景によって増幅されている。
ストーリーはどこかシンプルでスッと観る者の脳内に、心に浸透する感じがする。答え合わせをするように語られる清原果耶演じるアミが紡ぐ言葉と共に。
かけがえのない青春。旅の出会いをきっかけとした偶然が起こした青春。本当に素敵な気持ちになりました。
最後にMr.Childrenの「記憶の旅人」この楽曲があってはじめてこの作品が完成している。そっとジミーとアミの心に寄り添って語られているような桜井さんの歌声。この曲の余韻を十分に感じてエンドロールを終えました。

自分も目的のない旅に出たい。
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