自己満足点 75点
藤井道人監督が台湾と日本の合作で手掛けた恋愛映画。
過去の恋愛を思い出すストーリーは「パスト・ライブス」にも通づる部分はありますが、今作では現代パートは何処か喪失感があって尚且つ相手がいない中で一人で旅するロードムービー的な要素が強いですね。
正直期待はしてなかったしストーリーも予想通りでそんなに驚きは無かったものの、過去を思い出すストーリーと主演二人の素晴らしい演技で想像以上に感動してしまいました。
今作でも撮影監督は今村圭佑。
美しいライティングで綺麗なロケーションが特徴的なので今作にとても合ってました。
特に主人公と道枝駿佑演じるバックパッカーとの電車の場面。
トンネル抜けると雪景色が広がる光景は本当に圧巻でした!ここに関しては今年ベスト級に凄い場面でした。
また、主人公の18歳時の過去パートと36歳の現代パートでは映像の色彩も微妙に違います。
過去パートは比較的明るめな映像に対して現代パートはグレー味のある少し暗めの質感になっていて、主人公の心情が上手く現されてて良かったです。
主演の二人の演技も本当に素晴らしい!
台湾の俳優シュー・グァンハンは今作で初めて観ましたが、36歳の時は少し疲れたアラフォーおじさん的な演技が出来てるのに対して18歳の時は凄く若々しく見えるので驚きました。
また、アミを演じた清原果耶は明るい時は本当に生き生きと表現していて、泣く時の場面はこちらも思わずもらい泣きしてしまうくらい素晴らしかったです。
ちなみに主題歌はミスチルでしたが、展開を観てると「何でミスチルが主題歌なのか?」が理解出来るのでそこも上手いと思います。
ストーリーに関しては過去を振り返る内容は悪くなかったものの、おおかた予想通りだったし観る前の不安も適中しました。
その悪かった部分はネタバレになるので、コメント欄で書きます。
正直「パスト・ライブス」ほど好きにはなれなかったものの、恋愛映画としてはわりと好きになれる内容でした。
台湾本国だけでなく東南アジア圏でもヒットしてる理由が理解できます。
(余談)
これ観る前に岩井俊二の「Love Letter」を観返せば良かったと後悔してます(笑)