今村さんの撮る、背中の画が好きだ。
声に出したいのに言葉できない、
言葉で表せられない、けど今にも溢れ出しそうなその人の感情を
その人の背中から、画面いっぱいに訴えかけてくる。
冒頭のシーンから、涙が出そうになった。
この余韻。
それこそLove Letterを観た時と同じような、このじんわりとあったかいくて切ない何かが心に残る感覚。
一休みはより長い旅のため。
立ち止まることで自分を知ることができる。
自分を確かめる、自分はこうだよねって、自分のままでいいんだって。
ふと生まれるセリフのひとつひとつが心に響いてくる。
藤井監督何者ですか。
台湾語だからこそ、字幕で、視覚的に言葉を理解できたことがより胸にしっかり届いたのだと思う。
アミが香水について話すシーン、
その瞬間、気のせいか、なんだか良い香りがした。
(前の席の人の香水だったかも)
でもそんなふうに、
本当に香り立つような、場面一つ一つがとても優しく柔らかくでもはっきりと、生きているような作品だった。
単なる恋愛映画じゃなくて、ドキュメンタリーのような。
藤井監督が"俺ひとの恋愛とか興味ないもん"。
だからか、と納得。
藤井監督は、人の感情を描くのがうまい。
余命10年と重なる場面がいくつか。
大好きだったから嬉しい。
エンドロールのミスチルでまた涙が出た。
"さよなら、僕らの果たせずにいる約束"