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青春18×2 君へと続く道のsingerのレビュー・感想・評価

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
3.7
とても素晴らしい、旅の映画でした。
旅って良いですよね。
その土地で過ごすことで、新しい出会いがあったり、
その街の空気や、風情に新しい発見をしたり。

でも。
旅は、自分を変えるためだけじゃない。
自分の道を確かめるための旅でもある。
劇中の、そんな台詞に大きく心で頷きながら。

その旅路の中での出会いと、共に過ごした日々と、
ひとつひとつ、重ねてゆく恋心や、夢や希望。
その尊さを、とても丁寧に描いた、とても素敵な作品だったなぁ。

主演のシュー・グァンハンさん。
とても良かったです。
現在と、振り返る過去の中で、しっかりと主人公の若かりし頃の初々しさと、
歳を重ねた落ち着きのある佇まい。
その両方を、とても上手く演じられているなぁと思いました。

清原果耶さんも、とても良かったなぁ。
その言葉や、その視線や、その立ち振る舞いから。
ちゃんとジミーの想いを知ってて、わかってて。
それでも、本心を押し殺しながら、健気に微笑む、
その柔らかい笑顔が、ずっと印象的でした。

僕にも。
生きてきた中で、夢や希望の道を示してくれた人や、
大切な想いを共にしてきた人が居て。

そんな思い出の人。
元気で、幸せで居てくれたらいいなぁと思うし、
ふと、それを確かめてみたいなぁと思ったりする事もあって。

いつか、自分も、そんな人と過ごした日々を、
確かめる旅に出たりするのかなぁと思ったりもする。
でも、日常の中でも、音楽や、映画や、共にした風景が、
その頃の事を、懐かしく思い出させてくれることもあって。

そんな、存在が確かに在ったという事が、
とても尊いことなんだなぁと実感させられる、そんな作品でした。

岩井俊二監督の「Love Letter」。
また、観返したくなりました。
今なら、あの頃と、また違って見えるんだろうと思う。
それも、ひとつの心の旅なのかも知れないですね。
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