【バスク地方映画史入門】
第36回東京国際映画祭で上映された映画史ドキュメンタリーを観た。本作は『ミツバチと私』や『スルたなの夢』など最近の作品にも言及するタイムリーな作品であり、バスク地方の映画事情、特に女性監督への境遇を学ぶことができる。
どうやらスペインにおいても女性監督の地位は低く、ゴヤ賞を受賞しても男性の通俗で微妙な映画を作る監督よりも知名度が上がらない件に対して批判している。
これ自体はわかるのだが、バスク地方の映画に疎いかつ、本作で取り上げられる映画がサラッと表面をなぞるだけに留まっており、論を構築するための深堀りがされていない。つまり、作品を並べているだけに過ぎないので、全体的に想定を超える情報を得ることができなかった。