Asino

ニュー・オリンポスでのAsinoのレビュー・感想・評価

ニュー・オリンポスで(2023年製作の映画)
4.0
フェルザン・オズぺテクの新作がこんなに早く見られるなんてNetflixありがとう✨

1978年のローマ、名画座でありゲイのハッテン場でもあるNuovo Olympoで出会ったふたり。とある部屋でものすごく印象的な一夜を過ごす(Netflixさんぼかしなしだったわ)けれど、それきり会えなくなってしまう。
その後はすれ違い続けるけど、25年たって...という話。

すれ違ってしまってもお互い忘れてはいなくて、「忘れていなかった」ということを示す符号のような手紙も部屋も古い映画も、なにもかもとてもロマンチック。
オズぺテク作品は今まで「もう会えない人」への思いを描いたものが多かったけど、そこは継承しつつもすごくストレートにロマンスだった。

ストレートに、と思ったのは、群像劇的な側面はあまりなく、2時間の間でどんどん時間は過ぎていくとはいえ、シンプルにふたりの人生にフォーカスされているからかな。それともこれも時代なのか、仲間内でだけでなく主人公が有名人ではっきりカムアウトしてる設定だからかな。

彼の作品にはいつもテラスのある素敵な部屋が出てくるけど、今回もそれは健在で物語のキーになっていた。
あと主演のダミアーノ・カビーノはまだ22歳とのことだけど、なんとも言えない色気があって、無邪気な妖精たちの頃のステファノ・アコルシみたいで素敵でした(オズぺテク監督好きそう)

私はオズぺテク作品の複雑さや饒舌さがすごく好きなので、今回はずいぶんストレートだな。とちょっと思わないこともなかったんだけど、ラストカットで結局「あー好き!」ってなってしまった(ちょろい)
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