もとまち

清作の妻のもとまちのレビュー・感想・評価

清作の妻(1965年製作の映画)
4.2
とんでもなく良かったけど体調悪い時に見る映画じゃないね! 個の狂気と全の狂気の凄まじい衝突。戦争という理不尽、エグすぎる村八分...狂いきった世界には狂いきった愛をぶつけるしかない! 若尾文子の全身から発せられる情念のエネルギーが、忍び寄る戦争の足音と共にジワジワと増大。そしてそれが、とうとう爆発する終盤の衝撃。度肝抜かれた。
どれほどに苦しい受難があろうとも、個の存在が絶対に運命に屈さない所が増村映画の素晴らしいところ。理想的過ぎると言えるのかもしれないが。直接描写は少ないのに、下手な濡れ場よりもエロティックな清作との絡みは流石の変態性。タイトルバックのカッコ良さとシネスコのキマり具合も最高でした。
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