まや

東京暮色 4Kデジタル修復版のまやのネタバレレビュー・内容・結末

東京暮色 4Kデジタル修復版(1957年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

こちらも映画館で鑑賞。他作品と違ってただひたすら暗い物語展開で見ていてしんどかった。この作品は笑えるシーンが少なく、物語冒頭からずっと虚しい東京が映し出されるし、上手くいっていない人々だけが出て来るので一味違う作品だなと思った。

有馬稲子さんの顔がとても現代っぽく見ていて美しく好きだったが、終始暗くて影のある役だった。相手役の男も今でも通用しそうななよなよしたクズそうな男で子供できたと聞いて逃げ回る最悪なやつだなと思った。

母親がいなくなってしまったということが確執としてずっと横たわる悲しさのある家族として、姉妹が描かれる。ここからもう既に暗さがある。終始影がつきまとう家族像なので、妹が死んでしまう展開には救いようのない物語だなと。ただ記憶には残るなと思った。

この時代においても人との繋がりが薄くなっていっているのが伝わってきて、東京の冷たさや空虚さがヒシヒシ伝わってきた。母子家庭や父子家庭の人ってどこか自分の中で穴ができてしまう感じは伝わってきた。家族が揃っていてもその穴が生じることがあるのはどの時代も変わらないのかなと思った。

タバコのシーンはすごく好きだった。
まや

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