ポレポレ

東京暮色 4Kデジタル修復版のポレポレのネタバレレビュー・内容・結末

東京暮色 4Kデジタル修復版(1957年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

BS松竹東急『よる8銀座シネマ』(「日本の名匠シリーズ 生誕120年 小津安二郎特集」)で鑑賞。

小津映画の中では一際強く死が描かれている作品。寂しさと悲しさと怒りで圧し潰されそうなのに強がる明子(有馬稲子)の表情が凄い。姉 孝子(原節子)と父 周吉(笠智衆)とのきょうだい/親子/家族間であっても解り合えない、解っているようで解ってない故に生じている隔たりの描き方がいい。明子や孝子が家族を捨てた母 喜久子(山田五十鈴)と会い、互いに何もできず言い尽くせない状態も解る気がする。
喜久子と現在の夫 相島栄(中村伸郎)が営む雀荘の、いかがわしそうだが楽しそうな雰囲気と、周吉の妹 重子(杉村春子)のお喋りで世話焼きなおばさん像もいい。明子の恋人 木村(田浦正巳)の無責任さには反吐が出る。
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