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水平線のichikawaosamuのレビュー・感想・評価

水平線(2023年製作の映画)
4.0
福島県のとある港町。震災で妻を失った井口真吾は、個人で散骨業を営みながら一人娘、奈生と暮らす日々。ある日、彼のもとに持ち込まれた遺骨は、かつて世間を賑わせた通り魔殺人事件の犯人のものだった(ここまで映画サイトからの引用)。

ジャーナリストの江田が真吾に持ってきた話が、どう考えても「言いがかり」にしか思えず、また、文句を言う相手が違うやん!と思って、ストーリー的に違和感が残った。それでも、こちらのジャーナリストは表面的には、世の中のためと言いつつも、結局は自分本位で自分の評判を上げたいだけの人なのでこれでも仕方ないのかなぁ。

ただ、当事者となってしまった真吾は、負わなくてもいい罪悪感であったり葛藤を抱え込む羽目になってしまう。見てて気の毒になる、なんでこうならないといけないんだと。辛い。苦しい。

理屈ではなく感情的なものが支配する。それが凶悪犯のものだから?

登場人物のそれぞれが、何かを抱えそれぞれの思いを背負って関わり合って生きている。その背景に思いを寄せて、それぞれの世界を見ようとするが、どうにもならない。それが人生ってことなのか。
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