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水平線のmmmのレビュー・感想・評価

水平線(2023年製作の映画)
3.8
散骨業を営む男の話

井口は妻を震災で亡くしており、
娘の奈生と2人暮らし
風評被害を気にする漁師からどやされながらも
様々な事情を抱える者からの依頼を格安で請け負い
黙々と仕事をこなしている。

水産加工場で働く娘は、母の亡骸がみつからないこともあり
不在を消化できずにいる。


熱心とまでいかないが、電気グルーヴも聴くもので
ピエール瀧の役者としての姿との違いには
本当に驚いてしまうが、寡黙だが、情をもった男という
役柄がぴたりとはまっていた。


それぞれ抱えるもの、心に引っかかったものがあり、
東日本大震災から14年
まだまだ記憶に新しいと思っていたが、震災後に生まれた人に
とっては歴史上の話

風化させてはならないし、この先、時間が経っても消えない想い
だって必ずやあると思う。

同時に、現代の闇ともいえる、異様な個人叩きや不条理な
誹謗中傷などが作中に盛り込まれており、昨今どんな事象にも
付きまとう、この問題は、常々自身の中の問いとして
留めておかなければと感じた。
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