木蘭

ヘル・レイザー 4Kデジタルリマスター版の木蘭のレビュー・感想・評価

4.8
 圧倒的なまでのエロスとタナトス、欲望と絶望!
 20世紀ホラー映画の金字塔が再び劇場で!!

 今や古典と呼べる作品だが・・・英国が生んだ新進気鋭スプラッター小説の貴公子が送り出す新感覚ホラー映画・・・という当時の衝撃は色あせないのではないか。
 セノバイトたちの圧倒的なヴィジュアルイメージに、ティンダロスの猟犬の様に逃げも隠れも出来ない絶望感・・・そして、触覚を刺激するキリキリとした恐怖。
 今の若い人が見るとCGを使わないマペットや光学合成といったSFXはキッチュに感じるかも知れないし、ストーリーの粗も無いわけではないが、全てを力業でねじ伏せる当時の作り手たちの勢いは凄い凄い。
 兎に角、凄い物を観た!という衝撃は魔法。

 若い頃に繰り返し観ていた時と変わらず、継母を演じるクレア・ヒギンズの熱演と、ヒロイン演ずるアシュレイ・ローレンスのキュートさは素晴らしいなぁ・・・と感動したが、大人になって改めて見返すと父親役のアンドリュー・ロビンソンの名優っぷりを再発見した。
 しかし・・・クライブ・バーカー作品の女性は強いよなぁ。
木蘭

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