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クリティカル・ゾーンのさのレビュー・感想・評価

クリティカル・ゾーン(2023年製作の映画)
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商品を仕入れ手ずから梱包、犬と戯れながら就寝という日常の所作を淡々と描く幕開けで、以降ていねいな暮らしという概念にずっと思いを馳せていた。物語全体を駆動するような意味のあるセリフは少なく、運転席を真正面に捉える車内のショットや身体感覚に直結したSEが静けさと親密さを増していて没入感が高い。
ハイになって散々騒いだ直後にジェット機が飛び立つダイナミックな並びにはちょっと笑った。ハンドルPOVとか階段3フロア分天丼とか遊び心を時々感じる。
一般には歓迎されない生活振りだけど、過度に劇的に描かないのが良い。ナビはやたらジグザグだけど、聞こえる間は従うし危機回避もできてるし目的地にもまあそのうち着くでしょう。ダメ人間(と呼べるようなカジュアルな題材では全くない)には見やすい停滞感が思わずハマり、人生初フィルメックスだけどなかなか良いスタートかと思います。
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