夏の終わりに鹿に出くわしたことを思い出した。
TOKYO FILMeX、有楽町朝日ホールでのジャパンプレミア。映像に合わせ石橋英子さんがライブパフォーマンスをする、2度とない至高の体験。感無量でした。
濱口竜介の映像を観ると背筋が伸びる。「本物」を観ている、という感覚に陥る。『GIFT』も紛れもなくそう。まるで自分が画面の向こうの林の中を散策しているかのようなアクチュアリティが確かにある。
あれ、無声映画だったっけ？といった具合に科白が音として聞こえないことが意識の外にあったことに後から気づいてハッとした。本読みメソッドは今回も顕在、とのこと。
闇の中、光が強調されるショットが2度あった。車のヘッドランプや懐中電灯の放射を際立たせるようなフィルターレンズを使っているのだろうか。特に懐中電灯のショットは美しい。『何食わぬ顔』のオープニング、葬式帰りの夜の公園でサッカーをする3つの白シャツがスクリーンに浮かび上がるシーンを観た時の感覚に似ていた。
