くぅー

罪と悪のくぅーのレビュー・感想・評価

罪と悪(2024年製作の映画)
3.9
【my映画館2024 #6】

“この町だよな。”

»緑豊かな地方の町で、13歳の少年が殺されて、仲間3人はある老人が犯人と決めつけ、老人を殺害して1人が家に火を放った…その22年後に同じ場所で再び少年の遺体が発見され、刑事として地元に戻って来た男、地元で農家を継いでいた男、服役後に地元の裏社会とも通じた実業家的な男、あの3人が再会する。

はい、これはやはりタイトルの意味が気になりまくっての鑑賞で…鑑賞中は脳裏にはあの『ミスティック・リバー』が浮かんでは消えてましたね。

そう、ミステリー作品としては実に巧みに仕上ってるかと…過去の真相のシーンはちょっとグッと来たし、ノワールな余韻の残し方に弱さはあれどラストも納得。

惜しむらくは、意味深なタイトルに引っ張られるし、裏社会絡みのエピソードが強いので…農家の男と刑事の男が背負っていた過去の苦悩を、言葉だけではなく映像できっちり見せて欲しかった。

にしても、齊藤勇起監督は初監督作品としてはかなりの爪痕を残したし、先日見た『笑いのカイブツ』等の助監督で…一目置きたいと思います。

なお、俳優陣では、まずは高良健吾…キャラもあってか、やはり最も印象に残る。
大東駿介…またじわじわといい仕事し始めてますね。
石田卓也…控え目ながらも存在感は流石。
さらには、椎名桔平に村上淳に、そして、佐藤浩市…見事な悪のサポートぶりでした。
くぅー

くぅー