本日の一本。
弩シンプルな映画ならではの勢いがいい。これだけ単純だと観客は神様の視点ではなく主人公カート・ラッセルと同じ視点で話を理解していかなければならない。だからこその緊張感。何故俺たちは襲われたんだ?誰なら信用出来るんだ?この問いの答えに驚愕の真相などない。
ただそこにいたからというだけで命を狙われる。スタイリッシュに敵を薙ぎ倒すなんてこともなくひたすらに泥臭く戦う。敵に囚われた妻を救い出す。そこにヒネリもなしに愚直に銃を構え仕事終わり団らん中のお茶の間に乗り込む。この一見するともうちょっと警戒心ないなみたいな場面でもこの方法しかないと彼も私達も頷くしかない。そんな何も無いことの恐怖、サスペンスを味わえる。
昨今の複雑に絡み合う現代映画にはない。シンプルでありながら作劇の本質をつく良い一作だった。