フランスらしいコメディだし、ついクスッと笑ってしまうシーンもあるのだが、驚くほどテンポが悪い。
出だしに主人公に「農場でキャバレーを!」というアイディアを聞かされたヒロインが、「そんなの上手くいく訳ないじゃん?」という観客の思いを全て代弁してくれるので、そこは安心できるのだが、それを解決する部分にリアリティを感じない。
こういう物語は・・・苦労して凄いタレントを集めるか、さもなくばポンコツのメンバーが苦難を乗り越えて成長していくか・・・というパターンなのだが、その辺が中途半端。
基本的には後者なのだが、各キャラクターの描き方が足りないので、抱えた葛藤に向き合う姿がドラマになっていないし・・・それを乗り越えた姿を描くのが最後のショーなハズだが・・・そのショーがショボい。
別に実際に俳優が素晴らしパフォーマンスをしなくても良いんだけど、それが素晴らしく見せるのが映画の魔法だろ?
実話ベースではあるが、実際はもう少しリアリティのある話。妙に細かい部分は実話ベースみたいだが、物語の本筋はフィクション。
傾いた家族の農場と地域の農業を復活させるべく、多角経営を試行錯誤した先にキャバレーも出来たという話で、消費者と生産者を直接繋ぐべく、日曜市場を開いたり、地産地消のレストランと宿を開設して、そこでショーも始めた延長がキャバレーだった様だ。
モデルの人物は離婚していないし、キャバレーの開業にしばらくは両親も地域の人も嫌悪感があったらしい。
飲食や宿泊業、そしてキャバレーは盛況らしいが、農業部門は今だ赤字と、現実はビターだなぁ。