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ショータイム!のGoroのレビュー・感想・評価

ショータイム!(2022年製作の映画)
4.3
今日の一言:二千二十四年正月に見たい映画

少なくとも3代続いた農家は廃業の危機にある。がっかりして道を歩いているとふとキャバレーという文字が目に入る。主人公はふらふらと中にはいるのであった。

日本でキャバレーと言えばロンドン(年がバレる)しかし彼の国のキャバレーはそれとは異なるようだ(日本のロンドンがどんな場所かも知らないが)MCがいう通り、見事な芸を見てひとときこの世のうさを忘れる場所。そこで見事なダンスを見た主人公は納屋をキャバレーにすることを決意したのであった。

冗談のようだが本当の話がベースらしい。エンドロールに登場する役者さんが本物のキャバレーを訪れる写真が出てくる。こういう話は「あれこれ困難はあるが最後は成功」になるもの。とはいえ「あれこれ困難」をどう描くか。

様々な困難を乗り越えるのだが、それを突如立派になったり、善人になったりせず描くのが好感が持てる。田舎の農家そのものの善良でちょっとおどおどした役柄を好演する。ホームセンターの店員があの姿にバケるのは正直驚いた。

昨今やかましい性別云々も自然な形で映画のストーリーに溶け込ませる。ディズニー映画のように関係ない役柄が同性カップルだったり、といったこともない。強いて言えば最後の「本番」の芸が今ひとつだったように思うがそこは不問にしよう。(ジャグリングとかヒロインのダンスとか)

例年TVをだらだら脳死状態で見ていればよい正月は今年に関して言えばこなかった。そんな中、よく考えられた心がスッキリする物語を見ることができるのはありがたい。そう考えればこの映画が私にとってのキャバレーだったな。

あとニワトリと牛のおじさん、面白いじゃん!
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