久しぶりに思ってたんとちゃうかったー、やつ。
ポスターに『僕たちは透明人間だった』ってあって、勝手にちょっとファンタジーをイメージしてたし、冒頭に『僕たちが透明人間になって2年が経った』てシーンがある。しかも、書いた子達を母親が探しているのだ。
ははぁ〜ん、彼らは何かの拍子に透明人間になって、この状況を見てるんだな?って睨んで観ていたら、全然すっとんきょうな間違いだったし、なんならその『透明人間』の意味は、非常に重く切ない意味だった。
ペルーから、母とポールとティトの兄弟はアメリカのニューヨークに密入国してきた。鶏の生肉のトラックに息を潜めて。
中華店でデリバリーのバイトをしながら、兄弟は英会話教室で勉強中。
母、ラファエラはウェイトレスとして働いていて、美人なのもありよく男性から誘われる。
ある日、白人男性に誘われて部屋に連れてくる。
そんな時、2人の兄弟は母や男の喘ぐ声を、聞こえないフリして眠るしかない。
デリバリーの最中に車と接触するポール。悪いのは誰が見ても、運転していた白人女性。でも出てきた女は『車が傷ついたじゃないの!』
英会話学校の授業で、手を挙げても無視される。
そう、この『透明人間』って誰からもまるで見えてない、認められずに居場所がない事を指していたんだ。
そんな2人は、思春期真っ只中のチェリーボーイ。彼らの前に現れたクロアチア人のクリスティン。美人だけど、どこか危うい。案の定、刑務所にいる彼氏からの金の無心に、売春やってる。
2人の恋心や、いかに。
そして、母親も白人の彼氏との仲も怪しくなり、どんどんペルー人親子は、過酷な現実の奈落の底へ行くのです。
正直、犯罪をしていないにしても、密入国自体が犯罪だろうし、これが移民というものなのかなぁ、という感じ。あからさまな差別は日常茶飯事だし、いつ強制送還させられるかというストレスもある。
そこまでして、アメリカに夢があるのか、正直わからない。
そこまでハマらないにしても、眠くなる訳でもなく不思議と惹きつけられた作品です。