ワンコ

無名のワンコのレビュー・感想・評価

無名(2023年製作の映画)
2.5
【無題】

プロパガンダ映画の先駆けといえば共産主義のソ連映画「戦艦ポチョムキン」だが、この「無名」は検閲などものともしない中国共産党が好きな新手のスタイリッシュ・プロパガンダ映画じゃないかと思う。

ディスる対象が旧日本軍だけに止まらず、国民党やのちに台湾総統となった蒋介石にも及んでいるのだから、昨今の国際政治情勢を背景に中国国内向けに制作されたのは間違いないと思う。

時間軸を行き来させる手法はノーラン的(?)だが、この手法を使う理由は単純に伏線の回収に過度に重きを置いたからだ。だから、ノーラン的とは言えない。

もっと伏線を回収させず、観る側の想像力に委ねる方が映画らしいし、頭も駆使すると思う。

せめて、最後の場面はない方が鑑賞後の友人同士のお話などに花が咲いて良いと思う。

でも、プロパガンダ映画としてはエンディングの場面は最重要なのだ。アホくさ。

トニー・レオンとワン・イーボー目当てなのか女性のお客さんが圧倒的に多くて場違いなところに来てしまった感もあったが、どんな感想を持ったのか大丈夫かと考えてしまう作品だった。
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