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無名のreinaのレビュー・感想・評価

無名(2023年製作の映画)
3.5
トニー・レオンとワン・イーボー主演のスパイノワールという大作。この二人が主演というだけで観る価値がある。

だがしかし、映画の作りはやや大味だった。序盤から「カットの早さ」が目立った。このような重厚なストーリーで煙草の煙の立ち込める映画ならもっとジットリ魅せても良かったのではないだろうか。まだ登場人物の動作が途中なのに走り気味に次のシーンに切り替わるのはもったいなかった。さらに、尋問の場面で立ち上がり窓の方へ移動した女性がカメラが切り替わると椅子に戻っていた。このようなディテールのミスがこのような映画で許されるのだろうか?緊張感の漂う映画なのに力が抜けてしまった。

森博之演じる渡部は終始日本語のみを話し、中国人達はそれに中国語で返すがそれで会話が成り立っているという設定。お互いどちらの言語も理解できるということらしい。しかし、王一博だけは渡部と日本語で話すのだ。なかなか台詞の量も多くそれぞれも長かった。

あの二人の激しいアクションシーンはかなり見ごたえがあった。見たところスタントはあまり使っていなかったように見えた。この二人が殴り合うところはもう見れないかもしれない。上映後の舞台裏映像でトニー・レオンがアクションシーンに積極的に意見を出しているところが印象的だった。イーボーがちょっと緊張しているように見えて可愛らしかった。いくら王一博でもあの梁朝偉と殴り合いは緊張しそう...(笑)

正直なところ一度観ただけでは物語の辻褄と時系列が合致できず分からない部分も多かった。
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