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無名のfinancierのレビュー・感想・評価

無名(2023年製作の映画)
3.6
地獄みたいなアクションシーンがおよそ全てだった。
(この〝地獄〟は極まって良い方の地獄)

公開週とその次の週に観れなかった怪我の功名で、メイキングシーン付き上映を鑑賞。
主演ふたりの〝ダンス(アクション)〟リハが観れてとってもよかった。
メイキングにはSE付けないで欲しいけども。

照明とか撮り方は常に精緻、怜悧。
あとは、いーぼー氏の「ゆるさない。」、エンディングの曲(歌詞字幕付きハッピー漢字文化サンキュー)、各種レタリングが好き。音楽はわりとうるさい。
当時感はないけどかっこいいスーツたちもかっこいいから良い。

本編の、裏切りのサーカス的な細切れと、米英感のある時系列の前後は、全体に一貫するものごとがないので、関係性やストーリーをわかりづらくする以外の効用があったのか謎。

どんなに混乱しても、「中国」という国の現時点とキャスティングから着地点が解けるので迷いはしない。
その点はつまらないと言えばつまらなく、映画を越えたタンニンを味わえると言えばそうも言える。の、かもしれない。

急に日本語ふられると聞き取れないので字幕欲しいナ。
個人的にはワタナベの「各方面がよく視えてるポジからの実際、自己評価もモノの見方も甘っちょろい模範的ゆめみがち日本人」像は独裁側らしくて好き。

その他の味付け用の日本人達はもう、あちらの自国向けの作品なので。シンゴジのさとみさんの英語みたいなものだと、意識して意識から追い出しましょう。ノットフォーミー。
とはいえ最後の最後の告白は蛇足でずっこける。

歴史については、租界・満州・台湾ぐらいを知っていればこの物語の理解には差し支えないと思う。

冒頭の多いし早すぎる配給表示と、エンドロールの各社アイコンどっっさりベタベタはちょっとカルチャーショック。
特にエンドロールの方は余韻をぶち壊すパワーがあった。赤いの多いね🤭
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