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すべて、至るところにある(2023年製作の映画)
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リム・カーワイ監督トークの回を鑑賞。

主演のアデラ・ソウさんがまさかの知り合いの知り合いだった。その知り合いと一緒に鑑賞。
鑑賞前に待ち合わせていた喫茶店でなんとリム監督とソウさんを発見。知り合いとご挨拶に行った。リム監督をお見かけするのは4回目くらいだけど、自分のことを認識されていたとのことで、びっくりした。バルカン3部作の前2作を上映した時にお声がけしたのでそのとき覚えてくれていたもよう。

エヴァは旅先のバルカン半島で出会った映画監督ジェイと映画を撮る。パンデミックと戦争が始まり、ジェイに会いに再度バルカン半島を訪れるがジェイは姿を消してしまっていた、、、。

バルカン半島3部作の前2作がジェイが撮った作品として扱われ、エヴァ以外の前作の出演者も登場する。フェルディが前作で奥さんとケンカになったのは事実とのこと。笑
旧ユーゴ諸国中、前2作で撮れていなかったボスニア・ヘルツェゴビナとコソボで撮りたかったとのことだが、コソボはセルビアと関係が悪く、撮影クルーにセルビア人が含まれていたため撮影を断念したという。
作中では現地の方達のインタビューパートもあり、戦争当時のことも語られる。「それが今ウクライナで起きていることだ」との言葉もあり、ウクライナ侵攻開始後の撮影であることがわかる。
ジェイが姿を消したのはパンデミックや旧ユーゴ、ウクライナでの紛争などで厭世的になってしまったのが原因なのではないかと感じた。監督に伝えたらまさにその通り、とのことだった。
さらに、リム監督が今作で映画監督引退を宣言していることにも関連しているのではないかと思ってしまった、、、。

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2/17
主演の尚玄さん、同監督の「あなたの微笑み」に出演している渡辺紘文監督のトークの回があったので2度目の鑑賞。

作中のセリフで、映画監督のジェイが「虚しい」と言うのに対して「アート系の映画ばかり観ているからよ」と言う会話があり、自分も似たような心情だったので刺さった。

トークの際、質疑応答があったのでお二人にそれぞれ質問させてもらった。尚玄さんには作中のニックの存在について伺ったが、監督から特に説明はなく作中のまま「前に似た人がいた」とだけ伝えられていたとのこと。
渡辺監督には、SNSでリム監督が今作での引退に言及しているが、それについて思うことを伺った。同じインディーズの監督としてそう言いたくなる気持ちは分かる、という。SNS上では濱口竜介監督から慰留されていたよう。
渡辺監督の現在制作中のものとして、市議会選挙に立候補した際のドキュメンタリー、「テクノブラザーズ」に出演した柳明日菜の監督作品、その「テクノブラザーズ」の続編、があるとのこと。ここ数年良作が続く選挙ドキュメンタリー!渡辺監督がどう撮るのか期待大。
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