April01

グレムリンのApril01のレビュー・感想・評価

グレムリン(1984年製作の映画)
4.1
全体的にセット感、作り物感が半端なくて、ファンタジーな世界からリアリティを完全に切り離してユーモアあふれる架空の物語に振り切っているからこそ面白さが倍増している。

そもそも前情報なしで心温まるヒューマンドラマを期待して観始めたから、アレ?て感じで笑えてきて、気持ちをシャッフルするような転換が楽しめる。思い返せば犬の宙づりの時点でヤバさ出てた。

モグワイ(ギズモもグレムリンも)の造形が雑な気がして、最初はふざけてるの?!って呆れたんだけど、単純な作り物のくせに妙に表情が人間くさく、後半に進むにつれ擬人化した動きを見せるに至ってはもうトラウマ級の気持ち悪さ。
特にストライプ、怖いよ~。完全に怪物なら逆に怖くないわけで、あのビジュアルに俗物的人間の悪意と狡猾さが加わることによってこうも気色悪くなるのかというデモンストレーションのよう。恐れるべきはモンスターではなく人間だというメッセージとも思える。

同時にあの時代のアメリカ人のアジアに対する敵対意識や焦燥感や負けてる感(これは今も続く、ただし日本にあの頃の輝きはもうないので、そういう脅威は中国メインにシフトしてるけど)、WW2ネタ持ち出したり、外国車への悪口、その外国車がエンスト、アメリカンダディの国産モノづくりダメ感とか全編に渡り色々込めてるのは伝わってくる。

それと、オモチャのファービー?って思ったら一応は別物だそうで。ファービーのうるさくてウザイところとかグレムリンちっくで似すぎなんだけど。
短気ではないつもりだけれど子供のオモチャに対して黙れよ!と大人げなくイラついたのは後にも先にもファービー以外ない、しかも未だに部屋の片隅に君臨してることに見終わってから気づいてしまう、ぞわぞわ~😨
オモチャらしからぬ憎たらしい性格とかもそっくりだよ、と思ったけど、よくよくファービーのこと調べたら、扱いによって性格が変わるんだって!ウケる😆当時はそんなの調べる余裕もなくて、あーまた喋り出した止まらないのね、うるさい!としか思ってないし、なんだこの可愛げないオモチャは!という印象しかないので、振ったり投げたりしてたかも😅

この作品が変すぎて、自分も変なスイッチ入ったところに、ファービーまだいるじゃん!って気づいたから、余計に変な気分。うぇ~見終わったあとも取り憑かれてるのか、みたいな😱
April01

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