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グレムリンのrensaurusのレビュー・感想・評価

グレムリン(1984年製作の映画)
4.5
「かわいいけど媚びすぎない」ということがキャラクターデザインにも、ストーリーにも表れていて本当に上手い映画だと思う。

人間中心的な考えや科学信仰を嘲笑うように変態したグレムリンが町中を荒らし周り、人間さえ殺しちゃうのでグレムリンのことも躊躇わずに殺しちゃう、というシビアさも堪らない。主人公の母VSグレムリンの室内サバイバルバトルシーンはグロさ全開で必見だ。

ヒロインの父親がサンタの格好をして煙突に入り、滑って首の骨を折り、そのまま煙突で腐り、腐敗臭がしたという馬鹿らしくもあまりにも残酷なエピソードも、宗教の功罪を描く上で象徴的な内容になっている。

また、CGではなくパペットを多用したグレムリンないしギズモのモーションは、CGには出せない肉感が存分に出ており、パペット好きの自分にとっては大興奮のキャラクター演出だった。

メインテーマもキャッチーなのにおどろおどろしい雰囲気があり、今作の雰囲気を端的に表しており素晴らしい。

子供にとっても人間中心主義、科学偏重主義への懐疑というメッセージがそれとなく伝わるような伝わらないような、深く理解できなくても何か引っかかるような、不思議で楽しい映画だと思う。何度見ても楽しめそうな傑作だ。
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