あーちゃんこなんこ

私が私である場所のあーちゃんこなんこのレビュー・感想・評価

私が私である場所(2023年製作の映画)
4.0
俳優さんが裏方さんの仕事と兼務しながら出演していることもある、というのは聞いていたので内部のどんな様子が観られるのか非常に楽しみにしていた作品だった。

裏方さんの仕事だけでも大変そうというのが、まず第1の感想。私には絶対に無理だ。

そして、兼務している俳優さんにはそれぞれの思いがある。
基本裏方としてと約束でまとまっていたけど、最初に決まっていた俳優さんがしっくりこないという理由で急遽大物俳優さんとのシーンに抜擢された俳優さん。
オーディションを受けて主役を勝ち得る可能性があったのに落選してしまい、裏方としての仕事を主としながら役名の無い役(しかもプロデューサーがいつも頑張ってるから役を付けてあげようという親切心から役が付いた)を演じることになった俳優さん。

俳優をするからには「あなただからこの役をお願いしたい」と言われて役をもらいたいのが本心だろう。
それが叶わず裏方として現場で仕事をするのは、物理的な大変さだけでなく色々な葛藤もある。
上記の後者であげた俳優さんの本音や悔し涙は胸に突き刺さるものがあった。このモヤモヤした気持ちは、俳優さんに限らず社会で仕事をしている人間にとって共通の悩みに感じた。
「俳優さんの仕事は…」という視点ではなく、“自分事”として置き換えて是非多くの方に観て欲しいと感じた。

※何が原因かは不明だが、作品の音声が私には聴き取り難かった。整音などで改善出来るなら(良い作品なので)聴きやすく改善して欲しい。