MasaichiYaguchi

九十歳。何がめでたいのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

九十歳。何がめでたい(2024年製作の映画)
4.0
作家・佐藤愛子さんが日々の暮らしと世の中への怒りや戸惑いを独特のユーモアで綴ったベストセラーエッセイ集を、草笛光子さん主演で映画化した本作は、日頃思っていても、なかなか主張し辛いことを劇中でズバズバ言ってくれるので溜飲が下がります。
これまで数々の文学賞を受賞してきた作家の佐藤愛子は、90歳を過ぎた現在は断筆宣言して人付き合いも減り、鬱々とした日々を過ごしている。
そんな彼女のもとに、中年の冴えない編集者・吉川がエッセイの執筆依頼を持ち込んでくる。
生き辛い世の中への怒りを歯に衣着せぬ物言いで綴ったエッセイは思いがけず大反響を呼び、愛子の人生は90歳にして大きく変わり始める。
編集者・吉川を唐沢寿明さん、愛子の娘・響子を真矢ミキさん、孫・桃子を藤間爽子さん、吉川の妻・麻里子を木村多江さん、娘・美優を中島瑠菜さんが演じていてドラマを彩る。
「老後の資金がありません!」などの前田哲監督がメガホンをとり、「水は海に向かって流れる」でも前田監督と組んだ大島里美さんが脚本を担当している。
中高年を中心に共感を覚えることが多いと思われる本作だが、年代的に近いせいか、編集者の吉川真也の置かれた状況や、その言動に共感し、心に刺さりました。