幽斎

夜に忍び寄る影の幽斎のレビュー・感想・評価

夜に忍び寄る影(2020年製作の映画)
3.0
C級スリラーをレビューする、Scavenger第55界。原題「Im Nachtlicht」夜の光の中で、何か文芸作品みたい(笑)。AmazonPrimeで0円鑑賞。

アマプラ謎映画で珍しいドイツ産TV-MAスリラー。制作したUhlandfilmは日本で言う2時間サスペンスの専門会社、過去に多くの受賞歴も有るお堅い会社。2020年とスカベンジャーとしては古くない。ドイツ産でも舞台はベルギーと思われるが、放送枠がシリーズものらしく難解で陰鬱、ゲルマン魂テンコ盛り。Misha Kreuz監督は本作以降お呼びでないらしく、コレッキリ。でも、全然駄目と言う訳では無くクオリティは寧ろ高い。

Filmarksはヤル気ナッシングであらすじを放棄してるが、イントロダクションから察するに露骨なモンスターもので最初は食指が動かなかったが、物語的には水車の修理を請け負う主人公Diana Maria Frank(割と魅力的)の周囲で殺人事件が勃発、事件の背後には「人狼」絡みの陰謀が隠されてる、的な。関係ないけどドイツ人って吸血鬼やミイラ男には興味無い癖に、狼男は好きね(笑)。初見では意味が分からない(私でも)、コウ云う時は0円は助かる。スカベンジャーでは珍しく物語の背景を考察して見よう。

【ネタバレ】物語の核心に触れる考察へ移ります。自己責任でご覧下さい【閲覧注意!】

大雑把に言えば人狼の一族が世界各地に散らばって生活しながら、新たなマザー、母体の出現を待ち侘びた。人の姿をしてるモノの「食性」が違い、人の女とセックスするが人狼のオス同士で楽しんだりする。流石は世界変態選手権チャンピオンのドイツ人男、皆さんドイツのAVを見たら吐くと思うよ(笑)。そんな変態人狼だが、正規の相手であるメスの人狼が居ない。ゴーストとミンテだけが人狼の欲求を満たす存在だった。

セックスする為に繁殖の機会を伺うが、人狼の存在を知る政府に仲間が殺される。コレってX-FILEだっけ?。ミンテは過去にレイプされた過去がトラウマに為り、男に触られる事すら嫌う。だが人狼は自己中なので彼女を見るとヤリたい。ドイツだから絶対に尿とか糞とか出ると思ったら、ヤッパリ肛門から出た糞を興奮して食べるが、相手も銀行員だけど中身は人狼だと思う。同性愛の証明に相手の糞を食べる、流石はドイツ人アッパレ!。確認ですけどトイレじゃ無くて、ゴールデン枠のお茶の間で流したのよ(笑)。

話が変わりますけど私はミステリー、スリラー専門ですが、ドイツの推理小説って人物描写がホントに淡泊なんです。起承転結の「結」ケツじゃないよ、の部分も曖昧で「お察し下さい」と言われても人物描写が無ければ分らへんよ。ミステリーとして観れば京料理顔負けの薄味だが、作品自体は2時間サスペンスにしてはレベルは高い。

もしかしたら本作はシリーズ化前提の第一話の可能性も有るので、暇潰しに為るかも。
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