とらキチ

華麗なる大泥棒のとらキチのレビュー・感想・評価

華麗なる大泥棒(1971年製作の映画)
3.9
ジャン=ポール・ベルモンド傑作選3 ②
「オー!」「大頭脳」と並びジャン=ポール・ベルモンドによる「ルパン三世」の元ネタ、実写版と呼ぶべき作品群のひとつ。
100万ドル相当のエメラルド強盗団と、たまたま通りかかり遭遇し、彼らを追跡して宝石を奪取しようと企む警察官が、熾烈な争奪戦を繰り広げる。
手の込んでそうな“ハイテク”ツールを使ったりして金庫破りをする強盗団とその彼らを執拗に追うクセが強い警部、この組み合わせが“実写版ルパン三世”と呼ばれる由縁か。でもこの警部、真面目で実直で浪花節な“銭形警部”とは大違いの相当なワルの悪徳警官。時折り挟まれるギャグっぽい言動、動きや、お色気サービス、オンボロ車同士で結構な長尺で見せてくれるカーチェイスシーン、そして穀物サイロで繰り広げられるエメラルドを巡っての2人の決着の仕方なんかには“ルパン三世”っぽさを感じる。それとヒロイン2人が非常に美しいのもポイント高いし、モリコーネの手になる旋律が素晴らしい。
サスペンスアクション作品ということで、ジャン=ポール・ベルモンドが相変わらず吹替無しでのスタントを見せてくれるのだが、1番圧巻だったのが、ダンプの荷台から積まれた岩石土砂ごと坂を転げ落ちていくシーン。演じている方も撮っている方も、明らかに危険!現在ではあり得ないような撮影状況。そりゃあジャッキー・チェンがリスペクトするだけあるよなぁ…と妙に納得してしまった。
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