オーウェン

華麗なる大泥棒のオーウェンのレビュー・感想・評価

華麗なる大泥棒(1971年製作の映画)
3.8
かつてフランス映画界で、アラン・ドロンと人気を分け合ったジャン=ポール・ベルモンド主演、「地下室のメロディー」「シシリアン」の職人監督アンリ・ヴェルヌイユ監督の「華麗なる大泥棒」。

ジャン=ポール・ベルモンドがロベール・オッセン、レナート・サルヴァトーリ、恋人のニコール・カルファンと四人グループで、ある邸宅に忍び込み、透視テレビ付き携帯コンピュータという新兵器で、精巧な大金庫を開け、三億フラン相当のエメラルドを盗み出す場面がひとつの見せ場だが、続いてそのエメラルドを狙う腹黒い警部のオマー・シャリフに食い下がられるのが、興味の焦点になってくる。

舞台は地中海の観光都市で、断崖沿いの道でぶつかり合ったり、長い石段を逆落としに走り下りたり、追われるベルモンドと追うシャリフの猛スピードの曲芸的なカーチェイスが、ユーモアたっぷりに見せてくれる。

そして、バスに飛び乗って逃げるアクロバット的な場面や、ダンプの荷台に隠れて逃げたベルモンドが、断崖の上に運ばれ、砂利と一緒にぶちまけられて、急斜面をころげ落ちていく場面なども大いに楽しめる。

ベルモンドが、まったく疲れを知らぬ奮闘ぶりでユーモラスな味付けもとても良くて、アラン・ドロンとは違ったキャラで、フランスで彼が人気を博したのがわかる作品ですね。
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