Ricola

ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越えるのRicolaのレビュー・感想・評価

3.6
今回はタイという異国を舞台に、彼らはまたやらかしてしまう…。

ミステリー仕立て(と言っていいのだろうか)のコメディ映画として独自の地位を築いているこのシリーズ。
自分たちがしでかしたことを、まるで刑事のように数珠つなぎでたどっていき、昨夜の自分たちに振り回されているという構図が何とも滑稽である。


スチュアートの結婚式当日に目覚めたら、めちゃくちゃな状況。なぜかお猿さんはいるしなぜか髪はないし…そもそもここは外国だし。そして何より将来有望な義弟(それも未成年)がいない…!
そんなカオスな状況から、一つ一つ「証拠」を辿っていてなぜこんなことに至ったのかを、人々の証言をもとに紐解いていく。次々とヒントを得ていくなかで、とんでもないことに巻き込まれていることがどんどんわかっていく過程と、3人の友情がさらに深まっていく(?)様子がこの作品の見どころである。

夕焼けのようなオレンジがかった暗さや曇り空の下の暗さが、先行き不安な状況を示すとともに、アジア特有の蒸し暑さをも演出されている。

急に替歌やらを歌い始めるため、またひと笑い起こるが、それは単なる笑いのためだけではなく、これまでの状況説明と現状整理の役割を果たしているようだ。
ただふざけてばかりのおバカなコメディというだけに留まらず、構成や筋書きがしっかりしていることで、程よいめちゃくちゃさで面白い映画になっているのだろう。

スチュアートの義理の家族とのやり取りや、異国文化交流を、コメディエッセンスと絡めさせる一方で、危険な綱渡りな「調査」やある種の逆転劇におけるスリルのバランスが楽しい作品だった。
Ricola

Ricola