キャンチョメ

戦場のピアニスト 4Kデジタルリマスター版のキャンチョメのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

戦争がもたらすリアリティある悲劇の数々が、観ていて痛ましかった。スープを奪う老人とそれに抵抗する老婆の場面や、赤ん坊を窒息死させてしまった母親の泣く姿と、彼女に対する周囲の苛立ちが特にしんどかったかもしれない。

繊細そうなピアニストがぼろぼろになりながらも、1人でしぶとく生き抜く姿が良かった。少しでも傷付いたら壊れそうな雰囲気の人物だけど、生きざるを得ないという底力を感じた。

ピアノの音色とは全く違う、激しく破壊的な砲撃、銃弾の音や怒鳴り声で疲労困憊になりそうだった。
だからこそ、音楽の力が生んだドイツ人将校との人間愛的コミュニケーションを、普通は美しいと思うのかもしれない。けど、正直なんか違うなと感じてしまった。それよりも、主人公が間一髪の所で助かった他の場面然り、偶然というものの遠慮の無さをここでも感じた。月明かりでの演奏は怒りと絶望を感じたので、ユダヤ人だとバレたのは分かる。
キャンチョメ

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