眠る猫

風よ あらしよ 劇場版の眠る猫のレビュー・感想・評価

風よ あらしよ 劇場版(2023年製作の映画)
4.0
「原始、女性は太陽であった」という有名な平塚らいてうの言葉に感銘を受け、ただひたすらに自由を求め、もがきながらも文筆家として活動を続けた伊藤野枝の生涯が描かれている。
吉高由里子という役者は、朝ドラにしても大河にしても、こういう役がよく似合う。
劇場版とは?と思ったら、NHKドラマがあったらしい。ドラマは見ていない。

「原始、女性は太陽であった」この言葉を最初に知ったのは、学校の授業よりも先に、「はいからさんが通る」だった。
明治から大正、昭和の時代の女性達の苦しみ、苦労があって、比べると今は生きやすい時代になっている。

平塚らいてうの名は知っていても、伊藤野枝、大杉栄の名前を知らなかった。

関東大震災後の騒動からは、「福田村事件」とも重なる。理不尽な時代。そんな理不尽なことに立ち向かっていた野枝が、その理不尽なことに巻き込まれて命を落としてしまう。
震災からが少し駆け足だっのが残念にも感じだけど、それくらいあっけない突然の死だったのかもしれない。

そういえば、瑛太は福田村事件にも出ていた。こういう仕事を選んでいるのだろうか?偶然か。

大杉栄の弟子?のゲンさん(玉置玲央)が台所でピストルを置いたのが気になった。最後にゲンさんの目元がアップになるのは何か意図があるのだろうと思えた。(甘粕に仕返しとか)

福田村事件と同様にこういう事が起こっていたことを忘れてはいけない。
記録映画としても重要だと思う。


山田真歩さんが出てくると、花子とアンを見ているようで、ちょっと和んだ。
「自由恋愛と言っても、助平なだけ」が妙に笑えた。
稲垣吾郎さんはいい芝居をするなぁ。

吉高さん、大河ドラマの前のこのドラマの時から右で筆を持つことしてたんですね。役者さんは大変だ。

映画を見ながら、吉高由里子さんに与謝野晶子を演じて欲しいと思った。
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