ジャパンプレミア試写会にて鑑賞。
歴史物でありがちな登場人物が現代語を使う違和感問題にまで理由付けしてくれた所で良い意味で笑っちゃった。
これだけで今作は“説明”ということに対してすごく丁寧だなってわかるんだけど、かと言って昨今ありがちな全部セリフで説明しちゃうみたいなことにはなっていないので、そこがまず上手い。
時代背景だったり設定的にわかりにくいなと思われるところはナレーションでしっかり説明して、キャラにその役目を負わせないというのは素晴らしいと思う。
その反面、そのわかりやすさが故のノイズはあるなと思った。
“呪術”とは人の心に作用させるものという定義のもとで今作は展開されるが、だとしたらもっとスペクタルでも良いのではないか。
というのも、見てる側としては「これ催眠術的なやつだから実際はみんなどっかで寝てるんでしょ?」っていうのがどうしてもチラついてしまい、そこを払拭するだけのスペクタルはなかった。
もしくは、これは本当に起きていることなのでは?と思わせる何かがあればいいのだが、それもだったらあの時点でのあれがおかしなことになるからやっぱり幻覚とかだなとなってしまう。
もうちょっと物語としての厚みが感じられれば映像美と時代設定にのめり込めたのになーという印象の作品。