小枝

陰陽師0の小枝のネタバレレビュー・内容・結末

陰陽師0(2024年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

あのー嫌いではない!けどあとひと推し欲しい…って感じ。まあ野村萬斎と海猿のコンビは超えられんか、みたいなところはある。

晴明はもう振り切ってカッコよくするしかない!頼政!頼んだぞ!という製作陣の気概を感じる。頼政のあの優しさと弱さと物事を憂う感じは染谷くんにしな出せないなーと感動した。その他先生陣の人選含めてキャラクターアークは良かった。キャラは良かったんだけど…

呪術は呪ですと。呪とは思い込みです。と初めに言い切ってしまうのが最善の策だったんだろうか…というモヤモヤがずっとある。例えば、呪術を使える人、使えると思い込んでる人、使えないけど使えるフリをしている人、全く使えない人、など陰陽省の中にもグラデーションがあることでキャラの会話に深みが生まれて相関図の線が濃くなったのではないかと思うのだが、これはこの映画の根本的な否定のような気もする。

最初に呪術なんてないと言われてしまうと人が死ぬ事象にミステリー性が浮き出る。でもミステリー性の解消は全くない。実際に晴明が探偵のムーブをするフェーズがあり、一瞬晴明と頼政がホームズとワトソンの構図になる瞬間があるものの、結局犯人は晴明の夢の中で分かるという、解決のフェーズが全く面白くないものだった。俺は安倍晴明という人物像が明確にあるので、結局晴明だけは呪術を使えますというオチだろうなと思ってたらその通りだった。

人間関係というか恋愛模様を映すのは良いんだけど呪術の割合が少なすぎる。陰陽省の内訳は前半にしっかり説明されるのに、どんな呪術があって、呪術の詠唱はどんなのがあってみたいな究極の中二病をもっと観たかった。まあ単にそういう男の子向け映画じゃないだなって感じ。こんなに呪術廻戦0をパクった題名なのに?
小枝

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