若い子ばっかりかなぁと思って見に行ったら、意外と年齢層高め。原作が夢枕獏さんだからか。といっても、設定が夢枕獏さんの設定でストーリーは安倍晴明の若き日を描くというオリジナルストーリー。でも、原作者が太鼓判押してたから観にくる人も多いのかもね。
雰囲気はとってもハリーポッター。安倍晴明が陰陽師になるための学校に通っているという設定。この学校が本当にあったかどうかは知らんのだけど、占星術の先生やら呪術の先生やらがいてなかなかにおもしろい。
ただし、呪術というのも催眠術的なものであって決して魔法ではないという設定で、そこもなかなかよいです。そこで、ある殺人事件が起こるというサスペンスタッチになっているところもハリーポッターとかぶる。この殺人事件の解明を通して、博雅との出会い、そして友情が築かれるところが描かれていて、とても楽しめた。
それにしても山崎賢人くんは器用な俳優だなぁ。ここのところたて続けにキングダム、ゴールデンカムイ、陰陽師と見てきたけど、どれもちゃんとその映画の登場人物になってて感心した。キングダムの少年っぽさ、ゴールデンカムイの熾烈な戦場を生き抜いてきた青年、影のある平安貴族と、なかなかやりますなぁという印象。
今回の相方である博雅を演じる染谷君。「麒麟がくる」の織田信長がとってもよかったし、博雅の優しすぎて気弱な感じとかちょっと抜けてる感じ、上手かった。徽子(よしこ)女王との悲恋も博雅らしくてよかった。しかしあのチャラチャラした冠、なんだありゃと思ってたら、ちゃんと晴明にツッコまれていて安心した。
それと徽子女王を演じた奈緒ちゃん、どこかで見た気がするのだが…と思っていたら、「雪国」のドラマか！あれもよかったよね。彼女の感情を爆発させる演技がとてもいいです。今回も溢れる気持ちを抑えきれないように怒ったり泣いたりするところがとてもよかった。
「虎に翼」で教授やってる小林薫さんがこちらでも教授クラスの先生をやっててなんかうれしくなっちゃった。
あと、帝役の板垣くん、ティモシー・シャラメ似の美少年ですねぇ。
恐らくこれもシリーズ化を狙っているとは思うし、今後は本当に夢枕獏さんの原作をもとにした形になるのかなと思うけど、映像技術が野村萬斎さんがやったころより格段に上がっているので、あれはあれでよかったけど、こちらもきれいな映画ができそうでそれはそれでいいような気もしますな。
