umisodachi

陰陽師0のumisodachiのレビュー・感想・評価

陰陽師0(2024年製作の映画)
3.5
ベストセラー小説「陰陽師」シリーズの完全オリジナルストーリー。安倍晴明が陰陽師になる前のエピソードを描く。

陰陽寮の学生だった清明は、圧倒的な実力がありながらもやる気がない態度で周囲から疎まれていた。そんなある日、貴族である源博雅から徽子女王が直面している奇怪な現象を解決してほしいと頼まれる。見事に対処した清明だったが、陰陽寮で殺人事件が発生したことによって事態は急変し……。

息子に観たいと切望されたので一緒に鑑賞。ママは君が観たいものなら何でも観るよ!

端役に至るまでやたら豪華なキャスト、想定内のストーリー、本筋が2つあるせいでちょっとまとまりがない構成など、気が散る要素はたくさんあったのだが、何といっても映像が面白い作品だった。

VFXを手掛けたのは、いまや世界にその名を轟かせている白組。『ゴジラ−1.0』とは雰囲気がまったく異なる映像世界を作り上げていた。いうなれば、ハリーポッター&インセプション&teamLab&蜷川実花といった感じで、とてもファンタジックで華やか。特に、花を多用した映像演出が印象的だった。

豪華キャストとはいえ、年配で比較的シリアスな存在感がある役者が揃っている中、山崎賢人が扮する安倍晴明をはじめとする若者キャストたちは童顔で柔らかい雰囲気があるキャストばかり。良い意味でおとぎ話っぽい空気感が漂っており、恋愛や結婚にまつわる要素の生々しさなどなどが緩和されていた。

「呪」を思い込みや主観だと解釈するテーマ設定は良いと思うのだが、そのテーマが後半に行くにしたがって薄れていってしまったのは残念。このテーマをもっと色濃く提示して最後まで印象付けてくれれば、現代に通じる物語としてもっと力強いものになった気がする(せっかくオリジナルストーリーなんだし)。

あと、ちょっとプレイヤーが多すぎて説明が複雑になりすぎた感もあり。もっとシンプルなストーリーにして、呪術映像をガンガン見せてくれた方が満足度が高かったかも。ちょっと見たことがない動きの戦闘シーンは◎。2頭の馬のアクションなんかも凄かった。





umisodachi

umisodachi