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陰陽師0のnowstickのレビュー・感想・評価

陰陽師0(2024年製作の映画)
3.5
本作と同じく、夢枕獏氏が原作の2017年の映画「空海」は、日本での評判はすこぶる悪かったが、海外での評判は上々だったし、個人的にも普通に見てて面白かった。
また、本作の監督は「ゴジラ−1」の山崎貴監督の奥さんで、本作のCG制作の会社も「ゴジラ−1」と同じく白組。
古代の社会をエンタメに昇華した映画って、西洋だと「十戒」「ベンハー」「グラディエーター」みたいに結構あるが、東洋だと割と少なく、東洋思想とかを勉強したい自分にとって貴重。
そういった様々な理由が重なったのと、日本の商業映画を最近あまり見てなかったので、久々に見てみようと思い、鑑賞。
原作は未読。

良かった点は、見る上で何の前提知識も必要とせず、エンタメとして楽しめる作品になっていた点だ。昨今流行りの、「オッペンハイマー」や「バービー」みたいな、ある種の内輪ノリの映画みたいになっておらず、「ゴジラ−1」みたいなストレートなエンタメとしても成立している点は、評価できると思う。
しかし、自分は東洋思想について全く詳しくない為、本作を正しく批評する事ができない。どこまでが実際の陰陽師の設定で、どこからが創作か?どの程度難解な思想を、どのくらい咀嚼してエンタメにできているのか?が分からない以上、作品の出来上がりだけを見て適当に評価をしても、仕方がないだろう。
強いて言うなら、「ストーリーの焦点が全体的にボヤけているような気がして、映画を見ていて、そこまで乗れなかった」という事ぐらいだが、これについても、あまり自信はない。
映像表現としてはポップだったが、日本の美術史に明るくない自分にとって、「ここまで極彩色な衣装やセットと、ルネサンス絵画みたいなピカピカの照明が、作品の世界観に合っているのか?」も、よく分からなかった。

そんなこんなで、これを入り口として、東洋の古代史を勉強してみたり、本作の原作を読んでみようとは思った。
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