はやと

パーマネント・バケーションのはやとのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ジャームッシュの初長編映画。
これが大学院卒業制作の作品と知って驚き。


一人の青年の「何者でもない、でも何者かでありたい」という自分探しの旅は永遠に終わらない旅(=パーマネント バケーション)であり、今後も彼の旅は続いていくのだろう。
最後船から見えるニューヨークの街が遠ざかりながら終わるのは痺れた。


監督のセンスをひたすら浴びる約1時間半。
本作から既にジャームッシュ"らしさ"がしっかりあるしセンスも尖りまくってる。
だから恐らく本作はジャームッシュの名刺代わりとなる作品であってエンタメ作品としての役割はそこまでないのだと思う。

カメラワークや、やけに冗長なシーンなど、初長編でこんなの撮ってたらそりゃ将来傑作をポンポン作るわけだ。
卒業制作なのに制作費にお金使いすぎて大学院を卒業できなかったのもなんか天才の逸話っぽい。

でもまだ粗がある感は否めなく、後のジャームッシュ監督作品のようなテンポ感や程よい緩さを纏ったコミカルな会話劇のようなものはない。
唯一映画館での"ドップラー効果"の話はなんか洒落ててオチも面白かった。
はやと

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