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約束のmitakosamaのレビュー・感想・評価

約束(2024年製作の映画)
3.6
時代劇専門チャンネルのオリジナル時代劇。こういう良質な時代劇を作ってくれるだけで貴重だ〜ね。そして今作最大の楽しみだったのが、元宝塚雪組トップスター望海風斗の出演!今や演劇界で飛ぶ鳥を落とす勢いの彼女だが、時代劇はおろかドラマも初出演。これだけでも見どころ!

原作は藤沢周平の時代小説。かんざし職人の家に生まれた青年と幼なじみとの純愛劇が描かれる。
かんざし職人・幸助に片岡千之助。幼なじみお蝶に北香那。歌舞伎界のホープ千之助
も時代劇は初で、初々しい青年役がマッチしている。そして北香那の火のついたような演技がド迫力だ。昨今の若手女優では随一の演技力と言われるだけはある。
やはり北香那が攻めの演技なので、受け身の演技になる千之助が霞むのはしょうがない。それくらい北の演技が凄い。

幼少時代は子役が演じる。振り袖火事の演劇を真似るシーンとかがあるね。そして雨に濡れた身体を温めるために裸で抱き合うという官能的シチュエーション。
また、父(橋爪功)演じる職人がそこそこ裕福に見えるのも特徴的だ。当時は腕の良い職人のステイタスが高かったことを表してるね。

その後、職人として修行させるために幸助は奉公に出される。二人は離ればなれになるが成人してから橋の上ので再会の約束をする。

だが、幸助は親方の妾(望海)に童貞を奪われちゃう。大切な童貞が(笑)
望海の奔放で積極的な熟女ッぷりも素晴らしいが、攻められる幸助の官能表現がなんか可笑しみある。イッちゃってる幸助が悲しい(笑)

一方、お蝶は貧しさのためから身を売らなければならなくなる。時代小説のこういう所が辛い。

橋の上での再会だが、お蝶は自分を偽れずなかなか会いに行けず。包み隠さず全てを告白してしまう。北の演技の見せ所だ。辛み。

結果的に北香那の怪演が、映画をマルッと総取りしたような印象だ。
因みにメインとなる橋は岩国の錦帯橋やね。現存している橋ってこれくらいしかないもんな。
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