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A Window of Memoriesのnicodenのレビュー・感想・評価

A Window of Memories(2023年製作の映画)
4.3
終盤、語り手という存在から本人が憑依して語っている様に見えるシーンは美しい。
それは演じることの本質ではあるのだけれど、ある個人の体験が演者によって客観的なものから主観的なものに変わり、その体験を理解し表現したいという思いが、それぞれの観客に確かに届く声になる。

語り手同士の何気ない会話を挿入することで、個人の体験がそれぞれの体験と共鳴し、拡がりを持つことを期待していることが伝わってきて、作り手の映画に対する真摯な姿勢と映画の力を信じる思いが伝わってくる素晴らしい映画でした。見ることができてよかった。
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