スギノイチ

遠い一本の道のスギノイチのレビュー・感想・評価

遠い一本の道(1977年製作の映画)
3.5
左幸子の出演作は骨太な映画ばかりだが、自身の監督作も負けず劣らず重厚だ。
娯楽要素が薄くセミドキュメンタリー調で進むため、山本薩夫ら左翼系の巨匠による諸作よりも重苦しい。
特に労働歌を歌いながら保線する井川比佐志の姿は、山田洋次の『故郷』や『家族』における労働者像をさらに焼入れ硬化したような無骨さ。

北海道の風景も良いが軍艦島の撮影が圧倒的で、映画の趣旨よりも記録映画としての価値が高まっていきそう。
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