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本を綴るのspoornerizmのレビュー・感想・評価

本を綴る(2023年製作の映画)
3.0
1番伝えたかったことは何だろう?

ネタバレするからそれは後半に書くとして。舞台挨拶というものを初めて見たんだけど、その感想を先に。

主役を演じられた役者さんが、ご挨拶途中で思わず声が詰まって・・。
そういう映画、物語、ではないという感想の自分は、一瞬「え、えっ」ってなっちゃったけど、同時に、頑張って〜って声かけたかったりして、舞台挨拶のリアルだった。

ただ、俳優さんっていうのは、いろんな人を演じるにあたり、色んな思いを背負って、また出来上がった映像には映らない色んな大変なことがあるんだろう、と思った。映画本編もさることながら、映画鑑賞後の俳優さんたちのお話聞いてると、シーンに込められた想いだとか聞けて、よかった。

以下、ちょっとネタバレ=========

この物語が伝えたかったことは、書くことは誰かを励ましもし、傷つけもする、それは書くことだけでなく、生きることそのものなんだな、って私は受け取りました。

あの布団敷きをする村上さん(加藤さんという俳優が演じている)に、話す主人公、あそこの所、俳優さん双方の役としての想いがああいうシーンに出来上がったそうです。
具体的には、村上さんは漁師で海に命を持ってかれるのと背中合わせに生きている人だから、一つ一つが抜かりなくて、布団敷きでも余念なく時間かけてやっちゃう(だから長くなる)だろうなと演じた、と。一方、主人公は、その村上さんに、いつ話しかけよう、どう伝えようと間合いを見ながら(主人公を演じる役者さんは)やってるわけだから、そのタイミングとか兼ね合いとか、お芝居の中での、呼吸とか、間合いとか、葛藤とか、そもそも演じてる役自身の感情ののせ方具合とか、、いろーんなものが詰まっているそうです。

そして、主人公を演じた役者さんは、「あれで良かったのかなぁ」とその夜は考えてしまったというようなことを話しておられました。

最後に、どの俳優さんも実際、声がとてもよくて、スタイルがあって、存在感を纏ってるもんだなぁと思いました。
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