秀ポン

ゴーストバスターズ/フローズン・サマーの秀ポンのレビュー・感想・評価

1.2
アフターライフが本当に好きなので、これは今年1番楽しみにしていた映画だった。
それだけにショックがでかい。

続編の舞台がマンハッタンになると知った時に少しだけ不安だったんだけど、案の定オリジナル版の史跡巡りに時間を使いまくってて話が鈍重になっていた。

それでも途中までは「良い映画とはいえないけど、でもフィービー達のキャラが良いし、個人的には好きだ」と思いながら見ていたけど、ラストバトルの辺り、具体的には、満を持してビル・マーレイが駆けつけてくれました!ってシーンで我慢の限界が来た。

俺はスペングラー一家や、フィービーとメロディの孤独を分かち合う関係、そしてファイヤマスターの物語が見たいのに、ジジイどもがすげー出しゃばってくる。
めちゃくちゃ面白かった前作アフターライフの終盤で唯一微妙に感じた部分が増長していた。
引退した先輩達が我が物顔でずっと居座ってる嫌さ。

フィービーが霊体になる流れが不自然だし、メロディの改心も唐突で意味不明。
ファイヤマスターはネタキャラでしかない。内面が描かれないので、ダメな奴がダメな奴なりに頑張るカタルシスとかもない。
話が鈍重なだけならまだしも、ここら辺の本当に必要な部分の描写が足りていない。
2時間もの尺があったのに、ここら辺に充てるべきだった時間は、ジジイどもの懐古でどんどん食いつぶされていっていた。

本当の悪霊はお前らだよ。とは言わないけど、過度なリスペクト、というか履き違えたリスペクトは作品を腐らせるなと思った。

──その他、細かな感想。

・平日だったので空いていた。小さな子供とその親が観客の9割くらいを占めていて、ゴーストバスターズってファミリー向け映画だったんだと初めて認識した。
事前にトーマスの映画の予告が流れていたので、その落差で余計に、最序盤の凍りついた人々が砕けたりの映像は子供は大丈夫なのか?と思った。(そんなことは今となってはどうでも良いんだけど)

・若年組のキャスト達の成長を感じた。特にポッドキャストが顕著。子供から若者になりつつある。

・フィービーの体が乗っ取られ悪霊が復活した後、タバコ屋の店員が結構がっつり死んでいたので、両親がフィービーを慰めるシーンが上滑りしていた。

・暴食ゴーストや図書館のゴースト等、目配せだけのシーンが続く度にイライラはしていた。
特に暴食ゴースト、こいつ結構しっかり尺を使ってる割に全然話に関与してねえ。それと、前作でも思ったけど、この映画兄貴に興味なさすぎじゃない?

・オリジナルキャラは全員要らないって訳ではなくて、たとえばポッドキャストとレイモンドの師弟関係みたいなのは良かった。

・映画をみてこんなにイラついたのはジュラシックワールド3ぶりだ。どっちもオリジナル組が出しゃばっている。
ただし、ジュラシックワールド3がオリジナルの良さやテーマ性を完全否定していたのに対して、ゴーストバスターズシリーズの場合、そもそも自分はオリジナルをそんなに良いと思ってないので、まだあの時ほどのショックは受けていない。

・吹き替え版のエンドロール後に付いてきた新しい学校のリーダーズのMV、蛇足だなぁとは思ったけど、既に感情は死んでいたので、台無しにしやがってとかは思わなかった。
この映画自体蛇足みたいなもんだしな。好きに利用すればいいと思う。あと10曲くらい流してくれてもいいよ。
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