しの

ゴーストバスターズ/フローズン・サマーのしののレビュー・感想・評価

2.4
普通につまらない。前作『ゴーストバスターズ/アフターライフ』は、言ってしまえば懐古趣味に全振りしてしまった版のSW EP7みたいなものなので、続編こそが面白くなるんではと逆に期待を持っていた。EP8のようなことにはならないだろうと。しかし、蓋を開けてみればEP8どころかEP9でもなく、ただ不出来だったというのが悲しい。

そもそもオリジナルからして自分はそんなに面白いシリーズとは思っていないのだが、少なくとも肩肘張らずに見れる可愛げはあったわけで、しかし今回はそれがないのだ。単に散漫で面白みがない。

まず、フィービーが未成年だからゴーストバスター活動からハブられて……みたいな話に全く興味が湧かない。この家族の変に真面目なドラマや成仏できないゴーストの話よりも、ダメ人間がファイヤーマスターになる話をメインにした方がこのシリーズには適切だろう。これらのどの要素にフォーカスするかが絞れないまま突き進んだ結果、ゴーストバスターズ一家の問題のせいで陥った危機を彼らが救って市民が喝采という、どう考えても自作自演としか思えない話になっていて居心地が悪い。ゴースト少女の話も完全に持て余しているし。

しかもその自作自演の過程すら全く面白くないので救いがない。これではフローズン・サマー(原題は Frozen Empire)のタイトルはほぼ詐欺ではないか。というか、悪役ゴーストが暴れ出すまでがやたら長いのは何なのか。もはやタイトルの前半すら危うい。マシュマロマンを擦り続けるしかない空虚さよ。

その他、わざわざ前作であんなに懐古的な御膳立てで復帰させたオリジナルメンバーの使い方も全く旨味がなく、なんか居たなくらいの印象しかないこと等含めて、全てがうまく行かなかったなという印象。そもそも、オタクがゴースト退治でチヤホヤされては飽きられての繰り返しでしかないシリーズなのだから、そこすら捨ててどうするのか。『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』を思い出すが、しかしあそこまで呆れるほどの内容もない、ただ普通に残念な映画だった。
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