緑

あまろっくの緑のネタバレレビュー・内容・結末

あまろっく(2024年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

有能だけど人間関係無能な娘が、
父親の再婚相手と関わるうちに
変化していく話。

去年の鶴瓶噺でこの作品を知って、
公開を待ちに待っていた。
期待以上でもあり、
期待はずれでもあり。

鶴瓶師匠の後妻となる中条あやみは、
自然な笑顔ではなく
心掛けての笑顔を保っている役柄。
この心掛けの頑張りが全面に出過ぎていて、
その空回りっぷりも敢えてのものだと
理解はできるし、
とても匙加減の難しいところでは
あるのだけれど、
江口のりこや鶴瓶師匠の抑えた芝居と
もうちょい調和が取れる温度感なら
もっとよかったなと思う。
台詞のあと無言状態の中条のカットの
尺の取り方が自分の好みに
はまらなかったのも大きいし、
自分は本作の中条のような
元気の押し売りタイプの人が
心底苦手だからというのもあるかも。
人を動かすために仮病を使うのも
好きになれない。

駆け足にならないギリギリの数の
エピソードが詰め込んであり、
江口の幼少期の出来事も挟みつつ、
現在の江口の変化が
ほどよいスピード感で描かれる。
不器用な人であることが
観客に伝わるように作られているし、
身近にさえいなければ
このタイプは嫌いじゃないのだけれど、
彼女をリストラした会社は有能。

江口のお見合い相手が
海外転勤を蹴って会社を辞め
江口と結婚して、
江口が切り盛りする
鶴瓶師匠が遺した町工場で
新人として働き始めていた展開が
ツボにはまって涙。
あのお茶椀を買って使っていてほしい。

中条が産んだ子の名前が
タロウだったのもおもしろかった。
緑