幼い頃から父親の体たらくな姿を反面教師に、大きくなったら立派な人間になることを誓い、勉強も仕事も一番を目指してきた優子
ある日トップを走り続けてきた会社をクビになり、仕方なく実家のある尼崎市に戻ってくる
リストラになったことを能天気にもお祝いしようという父親に腹立たしく思い、そんな父が急に20歳の若い女性と再婚するという
自分より若い義母と一緒に3人で暮らすというシュールなシチュエーションに戸惑いながらも、それまで血の通った人間らしさを人に見せてこなかった優子の中で何かが変わっていく
初めてタイトルを見た時、尼さんがロックやるの？と勝手な想像をしていたけど、尼崎にある海と運河を結ぶ尼崎閘門の通称が尼ロックという、随分とカッコいい呼び方
父親のことをずっとしょーもない人だと思っていたけど、長年父親と一緒に仕事してきた人や、20歳の若き義母から話を聞き、自分の知らない父親の姿を知り、父親が昔からずっと口癖のように言ってた、「お父ちゃんは尼ロックやからな」という言葉の意味を噛み締める主人公とともに、人生に起きたこと何でも楽しむ、という信念に深く頷ける
今の世の中、情勢とか見ても良いことなんて何もないけど、プライベートだって仕事だっていつもハッピーなことばかりじゃないけど、でもそれを悲観してばかりでも仕方ない
それをも楽しむ術に変えてしまえば、そんな幸せなことはないよね
思ってたより心に響いて、ところどころ泣いてた
