もりりた

コンテイジョンのもりりたのレビュー・感想・評価

コンテイジョン(2011年製作の映画)
4.0
ミッチ・エムホフの妻ベス
出張帰りの自宅で体調急変
症状は継子のクラークにも発生
ミッチは唐突に失意の底に落とされる
ベスがいた香港の他ロンドンや日本など
同じ症状が次々に報告される
疫病予防管理センターCDCのチーヴァーは
感染源の調査をミラーズに依頼
世界保健機関WHOのオランテスも
感染ルートの解明を急ぐが
それ以上のスピードで広がる感染
死亡者増加と共に恐怖は拡大
情報錯綜や暴動に発展していく


ミッチに起きたあっという間の悲劇
嘘みたいなスピードで状況理解する暇なく
感染は世界に広がっていく
現実と類似していて驚かされる

多くの人がそれぞれの立場で戦っている
映画を見るまでは想像しなかった世界の動き
自分の視野の狭さを実感させられた

感染が広がり起こった暴動や強盗
悪意ではなく生きる為に発生しており
症状の深刻さ次第では他人事ではないなと


ドキュメンタリー的に状況描写が続く
演出は控えめでスクリーン映えしないが

現実をなぞった様な顛末
混乱の渦中を知った後だと
静かな展開がリアルで逆に怖さを強調

ミッチがふと見つけた妻の写真
回想して密かに感情を震わせるシーン
言葉に出来ない想いが現れて印象的だった


症状が出て弱っていくベスとクラーク
ミッチの生活が突然一変
そんな症状の凄まじさだけでなく

厳格な都市封鎖により静まる街
重傷者で溢れる施設 医師が奮闘するが
遺体袋が無くなる程感染は拡大する
現場の深刻さをリアルに感じられた

ワクチン開発を進めるヘクストール
感染した医師の父を助けたい想い
危険を冒しながら結果を出す過程は凄まじい

なぜ各自が感染防止を意識すべきなのか
各キャラのドラマが動機付けになる


実際に世界で起こったコロナウイルス感染
致死率がより高い場合にどうなったか
ただのスリラー映画としてではなく
ロールプレイ教材としてのポイントが多数

強盗や暴動と一線引く為に出来る備えは何か
ネット上の情報や闇で仕入れた
物品や医療品は信頼できるのか

混乱を繰り返さないための準備や
今後の感染と向き合う心構えについて
意識付けするきっかけになる作品
もりりた

もりりた